ホルモンバランスを整える鍼灸治療とは?女性の身体に優しい妊活法

2025/03/21 | カテゴリー:更新情報, 健康情報ブログ

ホルモンバランスを整える鍼灸治療とは?女性の身体に優しい妊活法

ホルモンバランスの乱れは不妊の大きな原因

女性の妊活において、ホルモンバランスは非常に重要な役割を担います。ホルモンは、視床下部→下垂体→卵巣の間で密接に連携しながら分泌され、排卵、子宮内膜の増殖、着床の準備など、妊娠に必要なプロセスを支えています。

しかし、ストレスや生活習慣の乱れ、自律神経の不調などによって、このホルモンの分泌リズムが崩れると、排卵障害や黄体機能不全、生理不順といった不妊の要因となる可能性があります。実際に日本産科婦人科学会(2021年)の報告では、不妊に悩む女性の約4割にホルモンバランスの乱れが見られるとされています。

加えて、米国生殖医学会(ASRM)によると、体内のコルチゾール(ストレスホルモン)が高まると、視床下部の機能が抑制され、性腺刺激ホルモン(GnRH)の分泌が低下することが明らかになっています(ASRM, 2018)。これにより、排卵が起こりにくくなったり、高温期が短くなるといった現象が生じ、妊娠の成立を妨げてしまうのです。

 

鍼灸でホルモンバランスが整う理由

鍼灸は、東洋医学における経絡(気・血の流れ)を調整する治療法であり、体内の恒常性(ホメオスタシス)を維持する働きがあるとされています。現代医学でも、鍼灸によるツボ刺激が神経系や内分泌系を介してホルモンバランスに影響を与えることが科学的に報告されています。

神経内分泌系への作用

鍼灸は、自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスを整える効果があります。自律神経が整うことで、視床下部-下垂体-卵巣軸(HPO軸)が正常に働き、GnRH、LH、FSH、エストロゲン、プロゲステロンなど、妊娠に関わるホルモン分泌がスムーズに行われるようになります。

たとえば、スウェーデン・イェーテボリ大学(Stener-Victorin Eら)の研究では、鍼灸による骨盤部位のツボ刺激が「子宮交感神経活動を抑制し、ホルモンバランスを整える効果がある」と報告されています(Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol, 2003)。

β-エンドルフィンの分泌促進

さらに鍼灸は、脳内でβ-エンドルフィン(神経ペプチドの一種)の分泌を促します。β-エンドルフィンは、視床下部や下垂体の機能をサポートし、ホルモン分泌の正常化、ストレスホルモンの抑制に役立つことが確認されています(Wessel et al., Fertil Steril, 2005)。

つまり、鍼灸は「神経内分泌系」と「自律神経系」の両面からアプローチし、ホルモンバランスを自然に整える手法と言えます。

 

【データで実証】鍼灸が妊活成功率を高める

近年、鍼灸の効果は多くの臨床データでも裏付けられています。

Cochraneレビュー(2017年)

世界的に権威のあるCochraneレビューでは、鍼灸治療が体外受精における妊娠率を平均して30%向上させる可能性があると報告されました(Cochrane Database Syst Rev, 2017)。

Paulusら(2002年)ドイツ

Paulusらの有名な研究では、体外受精を受ける女性を対象に、鍼灸群の着床率は65.5%、非鍼灸群は42.5%と大きな差が確認されました(Fertil Steril, 2002)。

中国・南京中医薬大学(2016年)

さらに、中国南京中医薬大学の臨床試験では、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)患者に対し鍼灸を実施した結果、排卵率が約70%まで上昇したことが報告されています(Zheng et al., Am J Transl Res, 2016)。

このように、鍼灸は「排卵率」「着床率」の両方を改善する効果が期待できることが、科学的にも証明されているのです。

 

【成功事例】鍼灸でホルモンバランスが整い妊娠に至った患者様の声

当院でも、鍼灸を取り入れて体調が大きく改善された患者様が多くいらっしゃいます。

F様(38歳)は、生理不順と高温期不良(10日未満)が続き、長年妊娠に至りませんでした。鍼灸で「三陰交」「関元」「太衝」などの婦人科系に関わるツボを中心に週1回の施術を開始。

3カ月後には、基礎体温が二相性に安定し、排卵期・高温期が正常化。さらに、自律神経が整ったことで不眠も解消され、6カ月後に自然妊娠を達成されました。

F様からは「病院では『ホルモン治療』しか提案されなかったけれど、鍼灸で自然に体が整って驚いた」とのお声をいただきました。

 

ホルモンバランスの乱れに悩む方にこそ、鍼灸は有効

ホルモン治療(ホルモン剤投与)は即効性がありますが、薬の副作用や継続的な負担を感じる方も多いのが現状です。鍼灸は、そうした方にとって「副作用が少なく、体に優しい妊活法」として広く活用されています。

また、欧州不妊学会(ESHRE)でも、「東洋医学的アプローチ(鍼灸など)が、体質改善による自然妊娠を促す可能性がある」と指摘しており、医療の現場でも補完医療として注目が高まっています。

鍼灸は、薬に頼らずホルモンバランスを整えるための選択肢の一つとして、女性の心身に寄り添った妊活サポートを行うことができます。


【引用・参考文献】

  1. 日本産科婦人科学会(2021年)
    「不妊とホルモンバランス異常に関する疫学調査」
    日本産婦人科学会学術講演会。

  2. ASRM Practice Committee (2018)
    「Stress and fertility: A comprehensive review」
    Fertil Steril, 2018; 110(3): 377–389.

  3. Stener-Victorin E et al. (2003)
    「Acupuncture and uterine sympathetic nerve activity」
    Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol, 2003; 284(1): R180–R185.

  4. Wessel GM et al. (2005)
    「β-endorphin modulation of stress and reproductive function」
    Fertil Steril, 2005; 83(2): 330-335.

  5. Cochrane Review (2017)
    「Acupuncture for improving pregnancy rates in assisted reproductive technology」
    Cochrane Database Syst Rev, 2017; Issue 7. Art. No.: CD006920.

  6. Paulus WE et al. (2002)
    「Influence of acupuncture on the pregnancy rate in assisted reproduction」
    Fertil Steril, 2002; 77(4): 721-724.

  7. Zheng CH et al. (2016)
    「Acupuncture and Chinese herbal medicine for PCOS: A randomized clinical trial」
    Am J Transl Res, 2016; 8(3): 1443-1450.

 

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