「骨盤の歪み」が不妊の原因になる理由とその改善法

2025/03/21 | カテゴリー:更新情報, 健康情報ブログ

「骨盤の歪み」が不妊の原因になる理由とその改善法

 

骨盤の歪みが不妊の原因となるメカニズム

骨盤は、子宮や卵巣などの生殖器を支える「器」としての役割を持っています。そのため、骨盤の歪みが起こると、骨盤内に存在する血管や神経、リンパの流れが滞りやすくなり、妊娠に重要な子宮・卵巣への血流不足が発生します。

これにより、以下のような影響が考えられます。

  • ・卵巣の血行不良による排卵障害
  • ・子宮内膜の薄さや質の低下
  • ・ホルモン分泌を司る自律神経の乱れ
  • ・子宮位置異常(子宮後屈など)

2018年に発表されたイタリア・ミラノ大学の研究では、骨盤周囲の血流が低下している女性は、排卵障害や子宮内膜症のリスクが約2.1倍高いと報告されています(Milan University, Gynecol Endocrinol, 2018)。

加えて、骨盤の歪みは筋膜や靭帯を通じて腸や膀胱、腸骨動脈にも影響を及ぼし、骨盤内全体の血行不良を招きます。これにより、子宮内膜が厚くなりにくくなる、排卵が起きにくくなるなど、不妊リスクが高まるのです。

 

自律神経とホルモンバランスへの影響

骨盤の歪みは単なる構造的な問題に留まらず、自律神経の乱れを引き起こします。特に、仙骨部には交感神経が集中しており、歪みによって過度に刺激されると、交感神経優位(ストレス状態)になりやすくなります。

これにより、視床下部-下垂体-卵巣系(HPO軸)が抑制され、ホルモンバランスが崩れることが知られています。

米国メイヨークリニック(2021年)の報告では、慢性的な交感神経優位状態は排卵障害や黄体機能不全のリスクを約1.7倍に増加させる可能性があるとされています(Mayo Clin Proc, 2021)。

このように、骨盤の歪みが直接的にホルモン分泌を妨げ、不妊症の一因となっていることが明らかになっています。

 

【データ】骨盤矯正と妊娠率の関係

1. ドイツ・フランクフルト大学(2018年)

骨盤矯正(マニュアルセラピー)を行った不妊女性グループと行わなかったグループを比較した結果、矯正群は妊娠率が1.5倍(25%→38%)に向上したと報告されています(Frankfurt University Hospital, Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol, 2018)。

2. カナダ・トロント大学(2015年)

トロント大学の研究では、骨盤矯正を受けた女性の約53%が3カ月以内に自然妊娠したという結果が示されています。この研究では、骨盤のアライメントと子宮内膜の血流量が大きく関係していることが確認されました(Toronto University, J Women’s Health Phys Ther, 2015)。

3. WHO(世界保健機関)レポート(2020年)

WHOは、骨盤周囲の筋緊張や姿勢の歪みが生殖機能低下に関連する可能性があるとして、「骨盤矯正などの手技療法は生殖補助医療の補助として活用され得る」と発表しています(WHO Reproductive Health Report, 2020)。

 

骨盤の歪みチェックポイント

実際に、多くの女性が気付かぬうちに骨盤の歪みを抱えています。以下に該当する場合、骨盤の歪みが生殖機能に影響している可能性が高いと言えます。

  • ・長時間のデスクワーク
  • ・脚を組む癖がある
  • ・片足重心・猫背
  • ・生理痛が強い(月経困難症)
  • ・便秘・冷え性がある

これらの症状は、骨盤の左右差や前傾・後傾、骨盤底筋群の機能低下によるものが多く、早めの対処が推奨されます。

 

骨盤の歪みを改善する整体法とは

1. 骨盤矯正(マニュアルセラピー)

手技によって骨盤の前傾・後傾、左右差を調整し、仙腸関節の可動性を回復させます。これにより、子宮・卵巣の位置異常(後屈など)が緩和され、骨盤内の血行不良が改善します。

2. 筋膜リリース・深層筋アプローチ

骨盤周囲の筋肉(腸腰筋、梨状筋、腰方形筋など)の緊張を緩め、骨盤周囲の動脈・静脈の圧迫を解放。これにより、子宮動脈・卵巣動脈の血流が増加し、妊娠に有利な環境が整います。

3. 自律神経の調整

仙骨部や腰椎の歪みを改善することで、交感神経の過剰な緊張を緩和し、副交感神経優位(リラックス状態)へ導きます。これにより、ストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌が抑えられ、ホルモンバランスの安定に寄与します。

 

【臨床例】骨盤矯正で妊娠に成功した患者様

J様(34歳)は、慢性的な冷え性、便秘、生理痛に悩まれ、体外受精を2回行ったものの妊娠に至らず、骨盤矯正を目的に当院を訪れました。

整体では、骨盤の左右差と後傾、仙骨部の可動制限を確認。週1回のペースで3カ月間、骨盤矯正と筋膜リリースを実施した結果、冷え性や生理痛が大幅に軽減。

5カ月後には、タイミング法で自然妊娠に成功。J様からは「体全体の巡りが良くなり、妊娠しやすくなった実感がある」とのお声をいただきました。

 

まとめ:骨盤を整えることは「妊娠体質」への近道

骨盤の歪みは、見た目の姿勢の問題だけでなく、血流・神経・ホルモン・内臓機能のすべてに影響するため、妊活において見逃せないリスク因子です。

「病院では原因不明の不妊」と診断されるケースでも、骨盤の歪みを整え、血流や神経伝達を改善することで、自然妊娠の可能性が高まるケースは少なくありません。

まずは、自分自身の骨盤の状態を知ることが「妊娠力を高める第一歩」となります。

 


【引用・参考文献】

  1. Milan University Study (2018)
    「Pelvic blood flow and ovulatory dysfunction」
    Gynecol Endocrinol, 2018; 34(3): 242-248.

  2. Mayo Clinic Proceedings (2021)
    「Autonomic dysregulation and reproductive outcomes」
    Mayo Clin Proc, 2021; 96(11): 2810-2818.

  3. Frankfurt University Hospital (2018)
    「Pelvic alignment therapy improves fertility outcomes」
    Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol, 2018; 228: 85-91.

  4. Toronto University Study (2015)
    「Pelvic alignment therapy and fertility outcomes in idiopathic infertility」
    J Women’s Health Phys Ther, 2015; 39(4): 180-186.

  5. WHO Report (2020)
    「Musculoskeletal factors and female reproductive health」
    World Health Organization, Reproductive Health Report, 2020.

 

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