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職場復帰を目指す方への自律神経回復プログラム

職場復帰を目指す方への自律神経回復プログラム

「先生、来月から復職なんです。でも、朝が…」

「先生、来月から復職なんです。でも、朝が…」

受付でそう切り出された方がいらっしゃいました。声を落として、少し笑いながら。

「休職して半年経って、主治医からはそろそろ大丈夫って言われたんです。でも朝、起きられない日がまだあって。今日は行けるって日と、体が鉛みたいな日の差が激しくて。この状態で毎日出勤できるのか、正直こわいです」

私は「なるほど」とだけ返して、しばらく黙っていました。すぐに答えを返さない方がいい場面が、たまにあります。

その方が心配していたのは、痛みでも肩こりでもありませんでした。「読めなさ」です。良い日と悪い日が、自分の意思と関係なくやってくる。会社という、決まった時刻に決まった場所へ行く仕組みと、その読めなさが噛み合わない。こわいのはそこなんだ、と。

復帰前の体は「休みモード」に最適化されている

復帰前の体は「休みモード」に最適化されている

29年、のべ25万人の方の体に触れてきました。休職期間を経て復帰される方の体には、ひとつ共通した特徴があります。

体が、休む生活に合わせて作り替えられているんです。

起きる時刻が日によって違う。日光を浴びる時間が短い。人と話す量が減る。体を動かす総量が落ちる。これは怠けではなく、体が置かれた環境に律儀に適応した結果です。自律神経は、私たちが意識しなくても呼吸や心拍、体温、消化を調整してくれています。その調整は「いつも通りのリズム」を手がかりにしている面があります。手がかりが薄くなれば、調整も緩やかになる。

そこへ突然、朝7時起床・満員電車・8時間デスクという負荷がかかる。体からすれば、予告のない環境変更です。

だから私は、復帰を「気合いの問題」として扱いません。体に、先に予告をしておく。それだけで違ってきます。

ご自身の体を観察してみてください

決めつける前に、視ていただきたいことがあります。

  • だるさが強いのは、朝ですか。午後ですか。夕方ですか
  • 前の晩、何時に布団に入って、何時に眠りに落ちた感覚がありましたか
  • 調子のいい日と悪い日で、前日の行動に違いはありましたか
  • 肩や首がつらいのは、どんな姿勢を続けたあとですか

「自律神経が乱れている」という一語でまとめてしまうと、そこで観察が止まります。止まると、打つ手も見えなくなる。逆に、いつ・どんなときに強くなるかが分かってくると、その手前に打てる手が見つかることがあります。

当院が復帰前の方に行っていること

当院が復帰前の方に行っていること

当院は自費施術専門です。時間をかけて、その方の生活そのものを伺うところから始めます。

体に触れて診るのは、呼吸の入り方、首と肩まわりの緊張、背中の動き、骨盤まわりのかたさ。デスクワークで前かがみが続くと胸郭が縮み、呼吸が浅くなります。呼吸が浅いと、自律神経のうち体を落ち着かせる働きが使いにくくなる。ここは手で触れて緩めていく部分です。

もうひとつが、生活の設計です。復帰日から逆算して、起床時刻を段階的に前へ動かす。通勤経路を一度、本番と同じ時刻に歩いてみる。午前だけ外に出る日を作る。負荷を「ゼロか100か」ではなく、途中の段を作っておく。

施術で体を整えても、生活が急に100になれば体はついてきません。逆に生活だけ整えても、縮んだ胸郭や固まった背中はそのままです。両方を並べて進めます。

ご自宅でできるセルフケア3選

ご自宅でできるセルフケア3選

1|起床時刻を固定して、朝の光を浴びる

就寝時刻ではなく、起床時刻から揃えます。眠れなかった翌朝も、同じ時刻に一度起きてカーテンを開ける。窓辺で5分ほど外の光を目に入れてください。曇りの日でも構いません。復帰予定日の3週間ほど前から、15分ずつ前倒ししていくと体への負担が少なくなります。

2|4秒吸って、8秒吐く呼吸

椅子に浅く腰かけて、両手をお腹に。鼻から4秒かけて吸い、口から8秒かけて細く吐きます。吐く息を長くするのがコツです。1回3分、朝と寝る前に。息を止めたときに苦しくなる方は、無理に秒数を合わせず、吐く方を少し長くするだけで十分です。

3|1時間に1回、胸を開いて立ち上がる

椅子から立ち、両手を後ろで組んで胸を開き、深呼吸を3回。前かがみで縮んだ胸郭を戻す動きです。復帰後のデスクワークでも同じことをしていただきたいので、今のうちから体に覚えさせておきます。痛みが出る動きはそこで中止してください。気持ちよさが目安です。

どれも、やった翌日に劇的な変化が出るものではありません。2週間続けて、朝の起き上がりが少し軽い日が増えたかどうか。その程度の変化を拾っていく地味な作業です。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 心療内科に通いながら受けても大丈夫ですか

通院中の方はいらっしゃいます。主治医の方針が最優先です。お薬や診断について当院が判断することはありません。私どもがお手伝いできるのは、体のかたさや呼吸の浅さ、生活リズムの組み立てといった部分です。ご心配であれば、次回の診察で「整骨院で体のケアを受けたい」と一言お伝えいただくのが安心かと思います。

Q2. 復帰まであと2週間しかありません。今からでも意味はありますか

2週間でできることと、できないことがあります。正直に申し上げると、体のリズムを整えるには時間がかかります。ただ、起床時刻を揃える、通勤時刻に一度外を歩いてみる、この2つは今日からでも始められます。復帰後も続けていくものですから、始まりが2週間前でも遅すぎるとは思いません。

Q3. どのくらいの頻度で通えばよいですか

お体の状態と生活の忙しさによります。初回に伺った上で、いくつか選択肢をお出しします。当院から回数を押しつけることはしません。ご自身の生活と相談して、続けられる形を選んでいただければと思っています。

ご相談ください

復帰の日程が決まっていなくても構いません。「まだ迷っている」という段階でお話しくださる方もいらっしゃいます。

お話を伺って、今の体の状態をお伝えして、そのうえで当院で力になれることと、なれないことをはっきり申し上げます。ほかを頼っていただいた方がよいと判断すれば、そう言います。

お聞きになったうえで、通わないと決めていただいて構いません。断っていただける前提でお話しします。

緑ヶ丘鍼灸整骨院
神奈川県厚木市王子1-1-21-101
0120-228-814
受付:平日13〜19時半/土9〜13時・15時半〜19時半(日・月定休)

著者紹介

谷貝智宏(やがい ともひろ)|緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長

鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師。順天堂大学スポーツ健康科学部を卒業後、日本鍼灸理療専門学校・日本柔道整復専門学校で学ぶ。オリンピック・プロスポーツ選手のコンディショニングに携わったのち、地元・厚木で開業。施術歴29年、のべ25万人の方のお体に向き合ってきました。

もともとは、プレーヤーではなく支える側でスポーツに関わりたいと思ったのが始まりでした。その姿勢は今も変わっていません。答えを押しつけるのではなく、選べる材料をお渡しする。決めるのはご本人です。

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この記事の監修者

緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長

国家資格保有(柔道整復師・鍼灸師)|臨床29年・延べ25万人

厚木市で開業して25年。肩こりや腰痛、自律神経の乱れ、姿勢のお悩みなど、これまで多くのご相談を受けてきました。自費診療専門の院として、その場しのぎのケアではなく、お一人おひとりのお身体とていねいに向き合うことを大切にしています。「これは相談していいのかな」という段階で、どうぞお気軽にお声かけください。

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