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自律神経を整える呼吸法5選|4-7-8呼吸から始めよう

「先生、夜中に何度も目が覚めるんです。体は疲れてるはずなのに、頭だけ起きてる感じで」
先日、施術中にそう話してくださった方がいました。肩に触れると、息を吸うたびに首の横の筋肉が動く。胸も肩も、ずっと持ち上がったまま。呼吸が上のほうだけで完結していました。
「息、浅くなっていませんか」とお伝えしたら、きょとんとされて。「呼吸なんて、考えたこともなかったです」と。
正直に言うと、私も同じでした。29年、のべ25万人ほどの体に触れてきましたが、呼吸を本気で見るようになったのはずっと後のことです。骨盤や背骨ばかり追いかけていた時期が長くありました。

呼吸と自律神経は、どこでつながっているのか
自律神経は、心臓を動かす、汗をかく、胃腸を働かせる——自分の意思では動かせない働きを担っています。緊張して手が震えるのを止められないのは、そのためです。
ところが、呼吸だけは例外です。「止めよう」と思えば止まりますし、「深く吸おう」と思えば深く吸える。自律神経が支配している働きの中で、自分の意思が届く数少ない窓口が呼吸だと言われています。
もう少し具体的にお話しします。息を吸うとき、体は少しだけ活動側(交感神経)に傾きます。吐くときは休息側(副交感神経)に傾く。脈を測りながら深呼吸をすると、吸う息で脈が速まり、吐く息でゆるむのが分かります。
ここが手がかりになります。吐く息を、吸う息より長くする。呼吸法の多くが「吐くほうを長く」と言うのは、この理由からです。
その呼吸、いま何秒ですか
決めつける前に、ご自分で観察してみてください。
- 片手を胸に、もう片手をお腹に当てて、普通に息をしてみる
- 動いているのは、胸の手ですか。お腹の手ですか
- 1回の息に何秒かかっていますか
- それは朝と夜で違いますか。仕事中はどうですか
胸の手ばかり動いて、1回が3秒を切っている。心当たりがある方は、体が「急いでいる」状態を続けているのかもしれません。

自律神経を整える呼吸法5選
1. 4-7-8呼吸(まずはここから)
鼻から4秒吸って、7秒止めて、口から8秒かけて吐く。これを4サイクル。吐く息が吸う息の倍という配分がポイントです。
秒数はあくまで比率の目安です。7秒止めるのが苦しければ、2-4-6でも構いません。苦しさを我慢しながらやると、かえって体は緊張します。
2. 腹式呼吸(横隔膜を使う)
仰向けに寝て、膝を立てる。お腹に本を1冊のせて、それが上下するのを目で確認しながら息をします。立った姿勢では分からなかった動きが、寝ると見えてきます。
3. 片鼻呼吸
右の親指で右の鼻をふさぎ、左から吸う。左を薬指でふさぎ、右から吐く。今度は右から吸って、左から吐く。これを交互に。手を使うぶん、意識が呼吸から逸れにくくなります。
4. ため息呼吸
鼻から大きく吸って、その頂点でもう一口だけ吸い足す。そして口から「はぁー」と全部吐く。人が疲れたときに自然と出るため息を、意図してやる形です。デスクで1回やるだけでも、肩の位置が変わることがあります。
5. カウント呼吸(4-4-4-4)
4秒吸う、4秒止める、4秒吐く、4秒止める。四角形を描くようなリズムです。眠る前より、日中に頭が散らかったときに向いています。
自宅でできるセルフケア3選
セルフケア① 寝る前の4-7-8を4サイクルだけ
布団に入って、電気を消してから。1分半ほどで終わります。「毎日やらなきゃ」と思うと続きません。やれた日に印をつけるくらいで十分です。
セルフケア② 肋骨をゆるめる(呼吸の器を広げる)
椅子に浅く座り、両手を肋骨の横に添えます。息を吸いながら、手を押し返すように肋骨を横に広げる。吐きながら、手でそっと肋骨を寄せる。10回。
猫背が続くと、肋骨が閉じたまま固まっていきます。器が狭ければ、いくら深く吸おうとしても入りません。
セルフケア③ 1時間に1回の「吐くだけ」
タイマーでも、トイレに立ったタイミングでも構いません。息を10秒かけて吐き切る。それだけ。吸うのは体が勝手にやってくれます。
仕事中に姿勢を直すのは難しくても、吐くだけなら誰にも気づかれません。
それでも変わらないとき
呼吸法をやっても浅い呼吸に戻ってしまう方がいます。私が見てきた範囲では、呼吸そのものより「呼吸できない体の形」が先にあることが少なくありませんでした。
肋骨が動かない。背中が丸まって横隔膜が下りない。首や肩の筋肉が吸う仕事を代わりに引き受けている。この状態では、意識だけで変えるのは骨が折れます。
逆に言えば、器が動くようになると、呼吸法が入りやすくなります。順番の問題です。
ひとつだけ、はっきりお伝えしておきたいことがあります。息苦しさや動悸が続く、胸が痛む、めまいを伴う——こうした場合は呼吸法の前に医療機関の受診をお願いします。手技で扱ってよい範囲かどうかの見極めは、私たちの側の責任です。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 4-7-8呼吸は、いつやるのが良いですか
就寝前を選ぶ方が多いです。吐く息を長くする配分なので、体を休ませたい場面と相性がいい。日中に眠気が困る方は、朝すぐは避けたほうが無難かもしれません。ご自分の1日の中で、どの時間帯が合うか試してみてください。
Q2. 息を止めるのが苦しくて続きません
秒数を下げてください。2-4-6でも、比率は保たれます。苦しさをこらえる呼吸法は、目的から遠ざかります。妊娠中の方、呼吸器や循環器に持病のある方は、息を止める工程を省いて「吐くほうを長く」だけにしていただくか、かかりつけの先生にご相談ください。
Q3. どのくらい続ければ変化が分かりますか
正直に申し上げて、期間はお約束できません。体の状態も生活も一人ひとり違うからです。ただ、変化を測る目安ならお渡しできます。「朝起きたときの肩の重さ」「1回の呼吸の秒数」——この2つを、始めた日と2週間後に比べてみてください。数字と感覚の両方で見ると、自分の変化に気づきやすくなります。
ご相談について
ここまで読んで、「試してみよう」と思われた方は、まずご自宅でやってみてください。それで十分な方もいらっしゃいます。お金も道具もかかりません。
やってみて「そもそも深く吸えない」「肋骨が動いている感じがしない」と行き詰まったら、そのときに体の状態を一緒に見る、という順番でいいと思っています。来なくていい方に来ていただく必要はありません。
ご相談を希望される場合は、下記までお電話ください。「ブログを読んだ」とだけお伝えいただければ通じます。
- 緑ヶ丘鍼灸整骨院
- 神奈川県厚木市王子1-1-21-101
- ☎ 0120-228-814
- 受付:平日13〜19時半/土9〜13時・15時半〜19時半(日・月定休)
- 自費施術専門
今夜、布団に入ったら、8秒かけて息を吐いてみてください。1回でいいんです。そこから始まる方を、私は何人も見てきました。
執筆者
谷貝智宏(やがい ともひろ)|緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長
神奈川県立厚木高等学校、順天堂大学スポーツ健康科学部を経て、日本鍼灸理療専門学校・日本柔道整復専門学校を卒業。鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師。
学生時代はトレーナーを志し、大学2年から夜間の専門学校とのWスクール。その後、五輪・プロスポーツ選手のケアに携わり、地元・厚木で開業しました。臨床29年、のべ25万人ほどの体に触れてきました。
断定を避けるのは、逃げではありません。体は一人ひとり違い、同じ処方が同じように届くとは限らないからです。分かっていることは分かっていると、分からないことは分からないと書くようにしています。
この記事の監修者
緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長
国家資格保有(柔道整復師・鍼灸師)|臨床29年・延べ25万人
厚木市で開業して25年。肩こりや腰痛、自律神経の乱れ、姿勢のお悩みなど、これまで多くのご相談を受けてきました。自費診療専門の院として、その場しのぎのケアではなく、お一人おひとりのお身体とていねいに向き合うことを大切にしています。「これは相談していいのかな」という段階で、どうぞお気軽にお声かけください。
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