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インナーマッスル(赤筋)とは何か|深層筋の働きと慢性痛への影響

インナーマッスル(赤筋)とは何か|深層筋の働きと慢性痛への影響

「腰が痛いのに、先生に押されたのはお尻の横でした。それで痛みが取れたのが不思議で……」「病院でレントゲンを撮っても異常なし。でも脚がしびれる。もう何年もこの状態です」

このような声を、厚木市の緑ヶ丘鍼灸整骨院では日々お聞きします。痛みやしびれに長年悩んでいるのに、画像検査では「異常なし」と言われてしまう。そんな方の多くに共通しているのが、インナーマッスル(赤筋)の機能低下という問題です。

本記事では、インナーマッスルとは何か、なぜそれが弱くなるのか、そして「痛い場所が必ずしも原因ではない」という神経生理学的な視点から、慢性痛との深い関係を解説します。開業25年・延べ29万人の施術経験をもとに、できるだけわかりやすくお伝えします。

インナーマッスル(赤筋)とは何か

筋肉は大きく分けて、アウターマッスル(白筋・速筋)インナーマッスル(赤筋・遅筋)の2種類に分類されます。私たちが「筋肉をつける」と聞いてイメージする、力こぶのような表層の筋肉がアウターマッスルです。一方、インナーマッスルは体の奥深くにあり、関節の安定性や姿勢の保持を担う、縁の下の力持ちのような存在です。

白筋(アウターマッスル)との比較

項目インナーマッスル(赤筋)アウターマッスル(白筋)
別名遅筋・深層筋速筋・表層筋
主な働き関節の安定・姿勢保持・持続的な支持瞬発力・大きな力を出す動き
疲れにくさ疲れにくい(有酸素型)疲れやすい(無酸素型)
色の由来ミオグロビン豊富で赤みがかるミオグロビン少なく白みがかる
鍛え方低負荷・長時間・姿勢制御運動高負荷・短時間・筋力トレーニング
萎縮しやすいシーン安静・不動・慢性炎症・痛みによる回避運動不足・高齢化

インナーマッスルは常時微弱な活動を続けることで関節を安定させています。この「常時働き続ける」という性質が赤筋の最大の特徴であり、そして弱くなると慢性痛に直結する理由でもあります。

代表的なインナーマッスルの例

  • 多裂筋(たれつきん):脊柱の一節ずつをつなぐ最深部の筋肉。腰椎の安定に不可欠。
  • 腸腰筋(ちょうようきん):股関節と脊椎をつなぐ深層筋。姿勢・歩行・腰痛に大きく関与。
  • 回旋筋腱板(ローテーターカフ):肩関節を4方向から包む深層筋群。肩こりや四十肩の根本に関わる。
  • 横隔膜・骨盤底筋・腹横筋:体幹の「インナーユニット」として内圧を調整し、腰を守る。

なぜインナーマッスルは弱くなるのか

インナーマッスルが機能低下を起こす原因はさまざまですが、臨床で最も多く見られるパターンをご紹介します。

原因1:痛みによる「回避パターン」の定着

痛みがあると、人は無意識にその部位をかばいます。たとえば腰が痛ければ体幹を固めて動かさなくなる。この「かばう動き」が長期化すると、本来働くべきインナーマッスルへの神経信号が減り、使われない筋肉は数週間単位で萎縮を始めます。画像で椎間板の変形が見つかっても、それ以上に「かばい続けた歳月による筋萎縮」が症状を維持している方は非常に多いのです。

原因2:長時間の同一姿勢

デスクワークやスマートフォンの長時間使用では、体幹・股関節周りのインナーマッスルに対してほとんど刺激が入りません。一方で、表層の僧帽筋や腰方形筋などは過緊張を起こします。このアンバランスが「インナーが弱く、アウターが硬い」という慢性痛の温床を作ります。

原因3:加齢と神経の伝達効率の低下

赤筋は神経からの信号によって常時コントロールされています。加齢や運動不足が続くと、筋肉を制御する神経の伝達効率が落ち、インナーマッスルへの「命令」がうまく届かなくなります。これは筋肉そのものの問題だけでなく、神経-筋接合部の機能低下という問題でもあります。

原因4:慢性炎症と局所の血流低下

深層にあるインナーマッスルは血流が豊かである反面、慢性的な炎症や低酸素状態が続くと、代謝産物(乳酸・発痛物質)が蓄積しやすい環境でもあります。これが「重だるい慢性痛」の一因になります。

「痛い場所=原因ではない」——神経放散痛という視点

当院にお越しになる方の多くが、「ずっと右の腰が痛い」「左の肩甲骨の内側が痛い」と特定の場所を訴えます。ところが実際に評価してみると、痛みを感じている場所とは全く別の筋肉や関節が原因になっていることが非常に多いのです。

これを神経放散痛(関連痛)と呼びます。脊髄に入ってくる神経の信号は、複数の部位から来た信号が混線することがあります。脳はどこから来た信号か正確に判別できず、「お尻の深層筋の問題」を「腰の痛み」として感じてしまうことがあるのです。

臨床例:梨状筋と坐骨神経痛
お尻の奥にある梨状筋(インナーマッスルの一つ)が硬くなると、真下を通る坐骨神経を圧迫し、腰から太もも・ふくらはぎにかけてしびれや痛みが出ます。これをMRIで撮っても「椎間板は正常」と言われることがあります。痛みの場所が腰・脚であっても、原因はお尻の深層筋にある——これが放散痛の典型例です。

インナーマッスルの評価と施術——当院のアプローチ

当院では、インナーマッスルの機能低下を評価するために、以下の視点を大切にしています。

  • 動作分析:歩き方・立ち方・座り方の中に、かばいパターンを読み取る
  • 筋肉の触診:深層筋の硬結(しこり)・圧痛点を確認する
  • 神経テスト:どの神経レベルで問題が起きているかを評価する
  • 関節可動域と左右差:インナーが弱い側は可動域が制限されることが多い

施術では、硬くなった深層筋に対する徒手療法(手技)と、弱くなったインナーマッスルを再教育するための運動指導を組み合わせます。「ほぐすだけ」でも「運動だけ」でも不完全で、この両方が揃ってはじめて慢性痛の根本改善に近づきます。

自宅でできるインナーマッスル活性化 セルフケア5ステップ

専門家の施術と並行して、日常生活の中でインナーマッスルを意識的に使う習慣を作ることが大切です。以下は当院でお伝えしているセルフケアの基本です。

  1. ドローイン(腹横筋の活性化)
    仰向けに寝て、鼻から息を吸い、口からゆっくり吐きながらおへそを背骨に向けて引き込む。10秒キープ×10回。腹帯のように腹横筋が腰を支えます。
  2. 片脚立ち(30秒×左右)
    目を開けた状態で片脚立ちを30秒。中殿筋・腸腰筋など股関節のインナーマッスルに自然に刺激が入ります。ふらつく場合は壁に手を添えてOK。
  3. ヒップヒンジ(多裂筋・大臀筋の再学習)
    足を肩幅に開き、お尻を後ろに突き出しながら上半身を前傾させる。膝を曲げすぎず、背中をまっすぐ保つのがポイント。10回×2セット。
  4. タオルギャザー(足底の固有受容感覚トレーニング)
    タオルを床に広げ、足指でつかむ動作を繰り返す。足底のセンサーを鍛えることで、姿勢を保つインナーマッスルへの信号伝達が改善します。
  5. 胸郭モビリティエクサ(肋骨を動かす呼吸)
    椅子に座り、両手を肋骨の側面に当てて深呼吸。吸うときに肋骨を横に広げる意識。横隔膜と体幹インナーユニットが連動して活性化します。
注意点:痛みが出る動作は無理に行わないでください。特に急性期(痛みが出て48時間以内)は安静を優先し、セルフケアは痛みが落ち着いてから始めましょう。

よくあるご質問

インナーマッスルを鍛えれば腰痛は治りますか?
インナーマッスルの再活性化は慢性腰痛の改善に有効なアプローチですが、痛みの原因はひとつではありません。骨・椎間板・神経・関節・筋肉・心理的な要因など複数が絡み合っています。まずは専門家による評価を受けたうえで、適切なプログラムを組むことをおすすめします。
ジムでのトレーニングとは何が違いますか?
ジムのトレーニングは主にアウターマッスルを鍛えます。インナーマッスルの再教育は「低負荷・コントロール重視」が基本で、重いウエイトは逆効果になることもあります。リハビリや整骨院でのコンディショニングは、神経-筋の制御パターンを整えることを目的とした別アプローチです。
何回くらいで変化を感じられますか?
個人差はありますが、インナーマッスルの神経再教育は最低でも3〜4週間、継続的な介入が必要です。「1回で全部治る」ものではありませんが、適切な施術とセルフケアを組み合わせることで、多くの方が6〜8週間で変化を実感されています。
どんな人がインナーマッスルの問題を抱えやすいですか?
長時間のデスクワーク、運動習慣のない方、慢性的な腰痛・肩こりをお持ちの方、産後の方(骨盤底筋群の弱化)、高齢の方などに多く見られます。また、過去に捻挫・骨折などの外傷を経験した方は、かばい続けた結果インナーが弱くなっていることがあります。

まとめ:インナーマッスルは「姿勢と痛みの要」

インナーマッスル(赤筋)は、目立たない存在ながら、関節の安定・姿勢の保持・神経シグナルの伝達という3つの重要な役割を担っています。そしてそれが弱くなると、「痛い場所とは別のところが原因」という、ともすれば見落とされがちな慢性痛パターンを生み出します。

「ほぐしても、薬を飲んでも、良くならない」という方の中に、インナーマッスルの機能低下が見過ごされているケースは少なくありません。もし長年の痛みやしびれでお悩みでしたら、一度、深層筋の視点から評価を受けてみることをお勧めします。

緑ヶ丘鍼灸整骨院では、動作分析・触診・神経評価を組み合わせた総合的な評価のうえで、あなたの慢性痛の本当の原因を探るアプローチを行っています。初診の方も丁寧に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

緑ヶ丘鍼灸整骨院
住所:神奈川県厚木市王子1-1-21-101
電話:0120-228-814
診療時間:平日 13:00〜19:30/土 9:00〜13:00・15:30〜19:30
定休日:日曜・月曜


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この記事の監修者

緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長

国家資格保有(柔道整復師・鍼灸師)|臨床29年・延べ25万人

厚木市で開業して25年。肩こりや腰痛、自律神経の乱れ、姿勢のお悩みなど、これまで多くのご相談を受けてきました。自費診療専門の院として、その場しのぎのケアではなく、お一人おひとりのお身体とていねいに向き合うことを大切にしています。「これは相談していいのかな」という段階で、どうぞお気軽にお声かけください。

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