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インナーマッスルを鍛えると慢性痛が改善する理由|赤筋(遅筋)の重要性

インナーマッスルを鍛えると慢性痛が改善する理由|赤筋(遅筋)の重要性

「病院でレントゲンを撮っても異常なし。でも毎日腰や肩が重くて痛い…」

「マッサージに通い続けているのに、翌日にはまた元に戻ってしまう…」

「原因不明と言われたまま、もう何年も痛みと付き合っています…」

こうしたお悩みを抱えて、緑ヶ丘鍼灸整骨院にご来院される方は非常に多くいらっしゃいます。開業25年・延べ29万人以上を施術してきた経験から断言できることがあります。こうした「なかなか治らない慢性痛」の多くに、共通するある原因が潜んでいます。

それが、インナーマッスル(深層筋・赤筋)の機能低下です。

この記事では、なぜインナーマッスルを鍛えることが慢性痛の改善につながるのか、その仕組みをわかりやすく解説します。あわせて、当院でのアプローチ方法と、ご自宅ですぐに始められるセルフケアもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

「痛い場所=原因ではない」という、多くの方が知らない事実

「痛みがある場所に問題がある」——多くの方がそう思っています。しかし、臨床の現場では、痛みを感じている部位と、その本当の原因がまったく異なる場所にあるケースが非常に多く見られます。

たとえば、こういうケースです。

  • 腰が痛いのに、原因はお腹まわりのインナーマッスルの弱化だった
  • 肩がこるのに、原因は背骨の深層にある多裂筋の機能不全だった
  • 膝が痛いのに、原因は股関節の外転筋群の低下だった
  • 腕にしびれが出るのに、原因は首まわりの深層筋の緊張だった

これは「神経放散痛(関連痛)」と呼ばれる現象です。神経は体中にネットワークを張り巡らせているため、ある部位の機能低下がまったく別の場所の痛みやしびれとして表れることがあります。痛みを感じる場所が「症状」であり、その本当の「原因」は別の場所にあるのです。

だからこそ、「痛い場所だけをもみほぐす」「痛い場所にシップを貼り続ける」という対処では根本的な改善が難しいのです。痛みの本当の出どころ=機能低下しているインナーマッスルを見つけ出し、そこに適切にアプローチすることが慢性痛解決の本質です。

インナーマッスル(赤筋・遅筋)とは何か?

アウターマッスルとの根本的な違い

筋肉は大きく「アウターマッスル」と「インナーマッスル」の2種類に分けられます。この2つの違いを理解することが、慢性痛解消への第一歩です。

アウターマッスル(表層筋・白筋)は、腹直筋・大胸筋・大腿四頭筋など、体の表面近くにある大きな筋肉です。瞬発的な大きな力を生み出しますが、疲れやすく、長時間の姿勢保持や関節の安定には向いていません。

一方、インナーマッスル(深層筋・赤筋)は、骨や関節のすぐそばに位置し、関節を正しい位置に安定させながら、姿勢を24時間支え続ける筋肉群です。体の表面からは見えず触れることもできませんが、慢性痛を考えるうえで最も重要な存在です。代表的なインナーマッスルには以下があります。

  • 腸腰筋:腰椎と大腿骨をつなぐ最重要の深層筋。体幹安定の要
  • 多裂筋:背骨に沿って走る深層筋。腰椎一つひとつの安定に不可欠
  • 腹横筋:腹部を360度取り囲むコルセット状の筋肉
  • 横隔膜・骨盤底筋群:腹横筋・多裂筋とともに「体幹インナーユニット」を構成
  • ローテーターカフ(回旋筋腱板):肩関節を安定させる4つの深層筋
  • 中殿筋・梨状筋:股関節を安定させる深層の外転・外旋筋群

赤筋(遅筋・TypeⅠ線維)が「慢性痛」のカギを握る理由

インナーマッスルは「赤筋(遅筋・TypeⅠ線維)」と呼ばれる種類の筋線維で構成されています。この赤筋の特性こそが、慢性痛との深いつながりの核心です。

赤筋は次のような性質を持っています。

  • ミオグロビン(赤い色素たんぱく質)や毛細血管が豊富で、酸素を使った持続的エネルギー供給が得意
  • 疲れにくく、低強度の収縮を長時間維持できる「持久力」に優れる
  • 関節を正しい位置にキープする「固定力」を常に発揮し続ける
  • 姿勢制御・バランス保持・体幹安定において中心的な役割を果たす

問題は、この赤筋は長期間使われないと急速に萎縮・機能低下するという性質を持っていることです。デスクワーク中心の生活、運動不足、過去のケガによる安静期間——こうした要因で赤筋が弱化すると、関節の安定性が失われます。

すると体は「代わりの安定装置」としてアウターマッスルを過剰に緊張させ、関節を守ろうとします。このアウターマッスルの慢性的な過緊張こそが、肩こり・腰痛・股関節痛・膝痛・首の痛みなど、多くの慢性痛の根本原因のひとつなのです。

つまり、慢性痛の本当の正体は「筋肉が硬い」「炎症がある」ではなく、「インナーマッスル(赤筋)が弱化し、アウターマッスルが代償過緊張している」という機能不全の連鎖であることが非常に多いのです。

こんな症状の方は要注意:インナーマッスル機能不全のサイン

以下の項目に当てはまる方は、インナーマッスルの機能低下が慢性痛の一因になっている可能性があります。

  • 整形外科でレントゲン・MRIを撮っても「異常なし」と言われた
  • マッサージやもみほぐしで一時的に楽になるが、数日で元に戻る
  • 長時間デスクワークをしていると腰や肩が重くなる
  • 片足立ちをするとふらつく、または骨盤が傾いてしまう
  • 階段の昇り降りや立ち上がりの動作で違和感や痛みが出る
  • 痛みの場所が日によって変わる、または広範囲にある
  • 手足にしびれがあるが、原因がはっきりしない
  • 体を動かし始めは痛いが、動いているうちに楽になる

これらは「骨や椎間板の損傷」などの構造的な問題ではなく、筋肉のバランス崩壊・神経システムの誤作動という機能的な問題によって起きていることがほとんどです。インナーマッスルへの適切なアプローチで大きく改善するケースが、25年の臨床経験の中で数多くありました。

緑ヶ丘鍼灸整骨院でのアプローチ

① 全身の神経学的評価・姿勢分析

まず全身の姿勢を丁寧に観察し、どの関節に不安定性があるか、どのインナーマッスルに機能不全が起きているかを評価します。体表からは見えない深層筋の状態を推定するために、動作テスト・徒手筋力テスト・神経学的評価を組み合わせます。「痛い場所」だけを診るのではなく、体全体の連動性の中で真の原因部位を特定することが最初のステップです。

② 筋機能評価(どのインナーマッスルが弱化しているか)

腸腰筋・多裂筋・中殿筋・ローテーターカフ・腹横筋など、慢性痛との関係が深いインナーマッスルを個別に評価します。左右差・前後差を確認しながら、どの筋が機能していないのか、どの筋が過剰な代償動作を行っているのかを明らかにします。この個別評価なしに闇雲な体幹トレーニングをしても、症状が改善しないどころか悪化する場合もあります。

③ 物理療法による神経・筋機能の正常化

超音波療法・低周波療法・ハイボルテージ療法などの物理療法を用いて、過緊張しているアウターマッスルの緊張を緩和し、同時に機能低下しているインナーマッスルの神経活動を促進します。物理療法は単なる痛みの緩和だけでなく、次のステップである運動療法の効果を最大化するための重要な下準備でもあります。

④ 運動療法(インナーマッスル再教育プログラム)

インナーマッスル(赤筋)は、通常の筋力トレーニングとはまったく異なるアプローチが必要です。大きな負荷をかけるのではなく、正確な姿勢のもと低強度でゆっくりと深層筋を意識的に収縮させ、関節固定の感覚を再学習させる「神経筋再教育」の考え方が基本です。患者さんの状態・生活スタイルに合わせた個別プログラムを提案し、院内と自宅の両方で継続できる体制をサポートしています。

自宅でできるセルフケア5ステップ

院内でのアプローチと並行して、毎日のセルフケアが回復を確実に加速します。以下の5ステップを就寝前や起床後に取り入れてみてください。道具は不要で、すべてご自宅の床の上でできます。

ステップ1:腹式呼吸でインナーユニットを目覚めさせる(2分)

仰向けに寝て膝を立て、手をお腹の上に置きます。鼻から4秒かけてゆっくり吸い、口から6〜8秒かけてゆっくり吐きます。吐くときにお腹が自然にへこみ、肋骨が内側に引き込まれる感覚を意識してください。この深呼吸だけで、横隔膜・腹横筋・骨盤底筋という体幹インナーユニット(赤筋の集まり)が同時に活性化します。すべてのセルフケアの前に必ずこれを行ってください。

ステップ2:ドローイン(腹横筋の単独収縮練習)

ステップ1の仰向け膝立て姿勢のまま、息を吐ききった状態でへそを「背骨に向かって引き込む」ように収縮させます。10秒キープ×5〜10回。ポイントはお腹の表面の腹直筋(いわゆる腹筋)を使わず、お腹の奥の腹横筋だけを引き込む感覚です。慣れるまで難しく感じることがありますが、焦らず毎日続けることで感覚がつかめてきます。

ステップ3:ヒップリフト(多裂筋・骨盤底筋・大臀筋の協調運動)

仰向けで膝を立て、足を腰幅に開きます。ドローインをしながら息を吐きつつ、お尻をゆっくり持ち上げます。肩・腰・膝が一直線になる高さで5秒キープし、ゆっくりと下ろします。10回×2セット。勢いをつけずに「背骨を1椎ずつ持ち上げる・下ろす」意識で行うと、多裂筋が強く働きます。腰痛がある方は特に効果を実感しやすい種目です。

ステップ4:サイドライイングヒップアブダクション(中殿筋の強化)

横向きに寝て、下の足を軽く曲げ、上の足をまっすぐ伸ばします。上の足のつま先を少し床方向に向けた状態で(股関節をわずかに内旋)、ゆっくりと30度程度持ち上げ、3秒キープしてからゆっくり下ろします。左右各15回×2セット。股関節外側のじんわりした疲労感が正しい実施サインです。膝の痛み・股関節痛・O脚の方に特に重要な種目です。

ステップ5:キャット&カウ(脊椎の分節運動・多裂筋の協調性向上)

四つん這いになり、手は肩の真下・膝は腰の真下に置きます。息を吸いながら背中をゆっくり反らせ(カウ)、息を吐きながら背中を丸めます(キャット)。このとき腰だけでなく、首→胸→腰と背骨を順番に動かす「波打つ動き」を意識することが重要です。10回ゆっくり繰り返す。多裂筋をはじめとする背骨深層筋の協調性を高め、脊柱の動的安定性を取り戻す効果があります。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. インナーマッスルを鍛えるのに、どれくらいの期間が必要ですか?

A. 個人差はありますが、適切なアプローチを毎日継続した場合、早い方では2〜4週間で体の変化を感じ始め、3ヶ月程度で日常生活における痛みの改善が見られることが多いです。インナーマッスルは赤筋(遅筋)であるため、即効性よりも「継続による神経筋再教育」が重要です。焦らず、毎日少しずつ続けることが最も効果的です。

Q2. 通常の筋力トレーニングとの違いは何ですか?特別な器具が必要ですか?

A. インナーマッスルのトレーニングは、高負荷・瞬発力ではなく「低負荷・高精度・持続時間」が重要です。特別な器具は基本的に不要で、正確な動作と意識さえあれば自宅の床上でも十分なトレーニングが可能です。逆に、重いウエイトを使ったトレーニングはアウターマッスルが優位に働くため、インナーマッスルの再教育には向かないことが多く、注意が必要です。

Q3. 何年も続く慢性痛でも改善できますか?

A. はい。長年続く慢性痛であっても、改善が見込めるケースは多くあります。重要なのは、「痛い場所をほぐす対症療法」から「なぜそこが痛いのか・本当の原因へのアプローチ」に切り替えることです。当院では開業25年・延べ29万人以上の施術経験の中で、長年の慢性痛が根本から改善された方を数多く拝見してきました。「もう治らないかも」とあきらめる前に、ぜひ一度ご相談ください。

監修者情報

谷貝 智宏(やがい ともひろ)
緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長 / 柔道整復師
開業25年・延べ29万人以上の施術実績。神奈川県厚木市を拠点に、神経系アプローチ・インナーマッスルトレーニング・根本治療を専門とする。

住所:神奈川県厚木市王子1-1-21-101 電話:0120-228-814(完全予約制)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状が続く場合は医療機関へのご相談をお勧めします。

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この記事の監修者

緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長

国家資格保有(柔道整復師・鍼灸師)|臨床29年・延べ25万人

厚木市で開業して25年。肩こりや腰痛、自律神経の乱れ、姿勢のお悩みなど、これまで多くのご相談を受けてきました。自費診療専門の院として、その場しのぎのケアではなく、お一人おひとりのお身体とていねいに向き合うことを大切にしています。「これは相談していいのかな」という段階で、どうぞお気軽にお声かけください。

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