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痛みのある場所を揉んでも治らない理由|神経系から見た慢性痛の本質

「何年もマッサージに通っているのに、また同じ場所が痛くなる」「整形外科でレントゲンを撮っても異常なしと言われた」「市販の湿布を貼っても、数時間後には元通り」――そんなお悩みをお持ちではありませんか?
緑ヶ丘鍼灸整骨院には毎日、このような患者さんが来院されます。共通しているのは「痛い場所をずっとケアしてきたのに、なぜか治らない」という切実な訴えです。
実はこれ、治らなくて当然なのです。なぜなら、痛みを感じている場所と、痛みの本当の原因は、多くの場合まったく別の場所にあるからです。
本記事では、開業25年・延べ29万人以上の施術実績をもとに、慢性痛の神経学的なメカニズムをわかりやすく解説します。なぜ痛い場所を揉んでも治らないのか、その本質をぜひ最後までお読みください。
「痛いところが原因」という思い込みが慢性痛を長引かせる
多くの方が「痛い場所=問題が起きている場所」と考えます。これは自然な発想です。転んで膝をすりむけば、膝が痛い。打撲すれば、ぶつけた場所が痛む。急性の外傷ではこの理屈は正しいことが多いです。
ところが、3ヶ月以上続く慢性的な痛みでは、この前提が根本的に崩れます。
長年の臨床経験の中で、肩が痛いと来院した患者さんの「本当の原因」が首の付け根や肩甲骨の内側にある筋肉の硬直だったケース、膝が痛いと訴える方の原因が股関節の可動域制限や臀部の筋力低下だったケースを何千例と見てきました。
痛い場所だけを揉み続けても、原因が別の場所にある以上、根本解決にはなりません。これが「何年通っても治らない」最大の理由です。
神経放散痛(ほうさんつう)とは何か――痛みのメカニズムを理解する
痛みは「脳が作り出す信号」である
まず大前提として、痛みは「脳が感じるもの」です。身体のどこかで「危険かもしれない」という信号が発生し、その情報が脊髄を通じて脳に伝わり、脳が「痛み」として認識する。このプロセスを理解することが慢性痛を知る第一歩です。
重要なのは、信号が発生する場所と、脳が「痛い」と感じる場所が一致しないことがあるという事実です。これを「放散痛(関連痛)」と呼びます。
放散痛が起きる代表的な例
放散痛の代表例として最も有名なのが、心臓発作のときに左腕が痛くなる現象です。心臓に問題があるにもかかわらず、脳は「左腕が痛い」と誤認識します。
整骨院の現場でよく見られる放散痛の例を挙げます。
- 首の神経根への刺激 → 肩・腕・指先の痛みやしびれ
- 梨状筋(臀部の深部筋)の緊張 → 太もも裏・ふくらはぎ・足先のしびれ
- 肩甲挙筋・菱形筋の硬直 → 肩・後頭部・腕の痛み
- 腰方形筋の過緊張 → 腰・臀部・鼠径部の痛み
- 腸腰筋(深部のインナーマッスル)の機能不全 → 股関節前面・膝の痛み
これらはすべて、「痛みを感じている場所には問題がなく、別の筋肉・神経に原因がある」パターンです。
なぜ慢性化すると「痛みの記憶」が残るのか
さらに厄介なのは、痛みが長期間続くと「中枢感作(ちゅうすうかんさ)」という現象が起きることです。これは脳や脊髄の神経系が過敏になり、本来なら痛みを感じないような弱い刺激でも「痛み」として認識するようになる状態です。
慢性腰痛・慢性肩こり・線維筋痛症などがこのメカニズムに深く関与しています。この段階まで進んでしまうと、いくら患部をマッサージしても神経系の過敏状態は改善されません。神経系そのものにアプローチする必要があります。
インナーマッスル(赤筋)の役割と慢性痛の関係
筋肉には2種類ある――赤筋と白筋
筋肉は大きく分けて2種類に分類できます。
- 赤筋(遅筋・インナーマッスル):持続的に低強度で働く。姿勢保持・関節の安定・深部での支持機能を担う。酸素を多く使い、疲れにくい。
- 白筋(速筋・アウターマッスル):瞬発的に高強度で働く。大きな動作・力発揮に使われる。疲れやすい。
慢性痛の患者さんに共通して見られるのが、インナーマッスル(赤筋)の機能低下です。深部でゆっくり働くはずのインナーマッスルが弱ると、関節の安定性が失われ、その代償としてアウターマッスルが過剰に働き始めます。この「代償パターン」が、慢性的な筋緊張・痛みの根本原因となります。
腰痛の裏に隠れた「多裂筋・腸腰筋」の機能不全
腰痛の原因として見逃されがちなのが、脊柱を深部から支える「多裂筋(たれつきん)」と「腸腰筋(ちょうようきん)」の機能不全です。
これらの筋肉が正しく機能しないと、腰椎(腰の骨)の安定性が失われ、表層の脊柱起立筋や腰方形筋が過剰に緊張します。この状態で腰の表面だけをマッサージしても、深部のインナーマッスルが機能していない根本原因は解決しません。
「整体やマッサージで揉んでもらったときは楽になるのに、翌日にはまた戻る」という方は、この代償パターンに陥っている可能性が高いです。
緑ヶ丘鍼灸整骨院での根本治療アプローチ
ステップ1:神経学的評価で「本当の原因」を特定する
当院ではまず、丁寧な問診と神経学的評価から始めます。どの神経が関与しているかを評価するため、以下のような検査を行います。
- 皮膚知覚検査(デルマトーム評価):しびれの分布から関与神経根を特定
- 筋力テスト:特定の筋力低下から神経障害レベルを確認
- 関節可動域評価:どの関節の動きが制限されているかを確認
- 姿勢・動作分析:代償パターンの発見
これらの評価により、「どこが原因で、どこに症状が出ているのか」という神経経路を明確にします。
ステップ2:筋機能評価でインナーマッスルの低下を発見する
次に、インナーマッスルの機能を評価します。特定の姿勢・動作を行いながら、深部筋が正しく活動しているかをチェックします。多くの慢性痛患者さんでは、痛みのある部位の深部筋が著明に機能低下していることが確認されます。
ステップ3:物理療法で神経系の過敏状態を落ち着かせる
中枢感作(神経の過敏化)が起きている場合は、まず神経系を落ち着かせる物理療法を行います。当院では温熱療法・電気療法(干渉波・低周波)を用いて、神経の興奮状態を鎮め、血流を改善します。この段階では「痛い場所」ではなく、「原因となっている場所」に物理療法を当てる点が重要です。
ステップ4:柔道整復的手技で関節・筋膜の正常化
柔道整復師の専門技術を用いて、関節のアライメント(配列)を整え、筋膜の癒着を解放します。特に、放散痛の原因となっている筋肉のトリガーポイント(発痛点)にアプローチし、神経の圧迫を取り除きます。
ステップ5:インナーマッスル再教育で再発を防ぐ
最終段階は、低下したインナーマッスルを再活性化する運動療法です。正しい関節の安定性を取り戻すことで、アウターマッスルの代償パターンが解消され、慢性的な筋緊張が起きにくい身体になります。この段階が最も重要であり、再発防止の核心です。
今日からできるセルフケア5ステップ
セルフケア1:深呼吸で自律神経を整える(1日3回・各2分)
慢性痛は交感神経の過緊張を伴うことが多く、神経系の過敏状態を増悪させます。鼻から4秒吸い、口から8秒かけてゆっくり吐く「腹式呼吸」を1日3回行いましょう。副交感神経が優位になり、神経の過敏状態が緩和されます。食後や入浴前後に習慣化するとよいでしょう。
セルフケア2:ドローイン(腹横筋の活性化)で体幹インナーマッスルを鍛える
仰向けに寝て膝を立て、息を吐きながらへそを背骨に向かってゆっくり引き込みます(お腹を薄くするイメージ)。この状態を10秒キープ×10回を1セットとして、1日2セット行います。体幹最深部にある腹横筋を活性化することで、腰椎の安定性が高まり、腰痛・股関節痛の根本改善につながります。腰への負担がゼロなので、痛みが強い時期でも安全に行えます。
セルフケア3:胸椎モビリティエクササイズで肩・首の代償を解消する
椅子に座った状態で、両腕を胸の前でクロスさせ、胸を軸に上体をゆっくり左右に回旋させます(各方向10回)。胸椎(背中の上半分)の可動性が低下すると、頸椎や腰椎が代わりに動こうとするため、首・肩・腰に過剰な負担がかかります。胸椎を柔らかく保つことで、この代償パターンが解消されます。
セルフケア4:股関節ストレッチで坐骨神経への圧迫を解放する
椅子に座り、右足首を左膝の上に乗せて「4の字」を作ります。そのまま上半身を前にゆっくり倒し、臀部の奥(梨状筋)にじんわり伸びを感じたら30秒キープ。左右各3セット。梨状筋(臀部深部のインナーマッスル)のストレッチは、坐骨神経への圧迫を軽減し、脚のしびれ・膝の痛みに効果的です。「痛みを感じている足ではなく、臀部にアプローチする」という点が重要なポイントです。
セルフケア5:入浴と睡眠で神経系の回復を促す
38〜40度のぬるめのお湯に15分以上つかる半身浴を習慣化しましょう。熱いお湯は交感神経を興奮させ、逆効果になることがあります。また、睡眠中は神経系の修復・再編成が行われます。慢性痛の改善には睡眠の質が直結するため、就寝前のスマートフォン使用を避け、7時間以上の睡眠を確保することをお勧めします。
よくあるご質問(FAQ)
Q1:レントゲン・MRIで異常なしと言われましたが、なぜ痛みが続くのですか?
A:レントゲンやMRIは骨・軟骨・椎間板などの構造的な異常を確認する検査です。しかし、慢性痛の多くは筋肉・筋膜の機能不全や神経系の過敏化によって引き起こされており、これらは画像検査では写りません。「画像で異常なし=問題なし」ではなく、「画像では写らない機能的な問題がある」と理解することが重要です。当院では画像では見えない「機能」の評価に特化した検査を行っています。
Q2:痛い場所ではなく、別の場所を治療すると聞いて不安です。本当に効果がありますか?
A:ご不安はもっともです。しかし、原因を特定するための神経学的評価・筋機能評価を丁寧に行い、科学的根拠に基づいて「なぜその部位が原因なのか」をご説明したうえで施術を行いますので、ご安心ください。実際に「長年治らなかった痛みが、原因となる場所へのアプローチで改善した」という患者さんの声を多数いただいています。まずは一度、評価だけでもご来院ください。
Q3:何回くらい通えば改善しますか?
A:症状の種類・慢性化の期間・生活習慣・個人差によって大きく異なります。一般的に、慢性化している期間が長いほど、神経系の再学習に時間がかかる傾向があります。目安として、急性期(発症3ヶ月以内)であれば6〜12回程度、慢性化した症状では3〜6ヶ月のケアが目安となることが多いです。ただし、セルフケアの取り組み次第で大幅に短縮できるケースも多いため、初回に個別の目標設定とスケジュールをご提案します。
監修者情報
谷貝 智宏(やがい ともひろ)
緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長 / 柔道整復師
開業25年・延べ29万人以上の施術実績。神奈川県厚木市を拠点に、神経系アプローチ・インナーマッスルトレーニング・根本治療を専門とする。
📍 神奈川県厚木市王子1-1-21-101 📞 0120-228-814(完全予約制)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状が重い場合や、急に悪化した場合は、医療機関への受診をお勧めします。
この記事の監修者
緑ヶ丘鍼灸整骨院 院長
国家資格保有(柔道整復師・鍼灸師)|臨床29年・延べ25万人
厚木市で開業して25年。肩こりや腰痛、自律神経の乱れ、姿勢のお悩みなど、これまで多くのご相談を受けてきました。自費診療専門の院として、その場しのぎのケアではなく、お一人おひとりのお身体とていねいに向き合うことを大切にしています。「これは相談していいのかな」という段階で、どうぞお気軽にお声かけください。
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